船、車、家、たまには旅行のこと等 備忘録も兼ねて気ままに書いています。

2024/08/25

HTB大村湾縦断ヨットレース レース当日

event_note8月 25, 2024 editBy Noriyuki Tomimatsu forum2 comments
昨夜は蒸し暑くってなかなか寝付けませんでした、おまけに夜中ににわか雨が来てハッチを閉めたりで睡眠中断、朝は早い時間から近くの船のエンジン音で起こされてしまいました。
レース準備には早すぎるよねと思いましたがどうやら釣りに出かける船のようです。
もう一度寝ようと思いましたが初レース参加の興奮もあってか寝付くことが出来ずそのまま寝不足で朝を迎えてしまいました。

朝食を済ませてもう一つの用はクラブハウスっで済ませて後は今日のターンマークブイの位置の発表待ち。 
7時半頃に掲示板を見に行くと、今日の目標地点の数値が書かれていました。

C-Mapに入力しようとしますがここで不勉強が露呈、これって最後の小数点以下の数値は60を掛けて秒に変換しなきゃいけないんでしょうか? C-Mapに入力してみましたが示されるのはとんでもない位置。
じゃそのまま秒として入力して最後の桁は無視? これも試しましたがやはりとんでもない位置。「え~困った」
悩んでいるうちにスタート時刻が近づいてきたのでC-Mapに入力するのは諦め、どうせどん尻でしょうから皆の行く方向について行くことにしました。

さて桟橋からの離岸、櫛型の桟橋から離岸するのは初めてで経験がありません。
心配なのはこの船は後進では全く舵が利かないので上手く方向転換できずに対岸の船にぶつけてしまうこと。
ここは安全を期して係船ロープを手にして船を押し引きして桟橋から引っ張り出すことにしました。上手く引っ張り出せたところで船に乗り込み出港です。

スタート地点に向かうと先に出た船は既にセイルを上げてスタートライン近くを行ったり来たりしています。ただこの時点では冷却水が排出されているのが見えますからエンジンで動いているようです。私もエンジンをアイドリング回転数で回して帆を上げました。
何と言っても初参加、経験が無いので何処に居ればいいのか判りません、どきどき。
風はどっちから吹いてるのかしらなんて悩んでいるうちに5分前のホーンが鳴ってエンジン停止、これからが大変なことにーー、風は微風なので速度が落ちて全く舵が利かなくなってしまいました。
1分前のホーンが鳴りその後スタートのホーン、こちらは左から右に流れているのに対してスタートラインに向かって右側から沢山の艇が走ってきます。
どの船も右舷側から風を受けているスターボード艇で私は左舷から風を受けたポート艇、
ヨットのルールではスターボード艇に優先権があり私が方向転換して進路を譲らなきゃいけないんですが曲がれない止めれないでにっちもさっちもいきません。
交差しそうになった白鯨さんからは「スターボード」と言う声が掛かり怒られてしまいました。幸い進路を変えていただいて接触は免れましたが大迷惑をかけてしまいました。ごめんなさい。 その他の艇にも「舵が利きませ~ん」と大声出して避けてもらいましたが迷惑かけてしまいました。 皆さん迷惑かけすみませんでした。

後進時の舵の利きの悪さは認識していましたが前進の時もこれほどとは認識不足でした。 次回レースに参加することがあれば集団から離れて遠くからスタートラインを目指さなきゃいけませんね。
競艇で言えば最後尾から助走して大外からまくっていく艇のイメージになるんですがまくるほどのスピードは出せませんけど。

皆さんに迷惑かけてしまいましたが何とかスタート、この頃には他の船は既に前方、

スタートラインは切ったものの弱かった風がますます弱まり見える景色が変わってくれずスタート地点傍の島との位置関係もほとんど変化なし。

舳先には小さな波さえ立たず対水速度はゼロ。


この頃は私だけではなく先に行った他の艇も苦労はされているようです。

これではどうしようもないなと思っていたら雷の音が聞こえて夕立がやって来て一緒に風も連れてきてくれました。
これでやっと走り始めたんですが当然他の艇も走り始めるわけで足の遅いSB2は徐々に置いていかれてしまいます。 セイルトリムなどをいじってみますがさほど効果なし、基本的な性能の差はいかんともしがたいようです。

この風はますます強まって30度のヒールをする場面もありましたが夕立が通り過ぎて青空が見え始めて徐々に風も弱まってきました。
この頃になると折り返し地点が見えてきて先に回った船が機走で帰って来ます。
どうやらコース短縮で折り返し地点がゴールになったようです。
弱くなった風の中私の前を行く、つまり後ろから2番目の船、がゴールして反転してきたころには風が無くなってしまい私の船は1mmも動かない状態になってしまいました。
あと10分ほど風が続いてくれればゴールにたどり着くことが出来たんですけどね。
3~400mほど先にはゴールが見えるんですがどうしようもありません。


結局ゴール付近に残っているのは私の船だけ、本部艇からは「あいつ何やってんだ?」と思われているに違いありません。 リタイア止む無しかと思いましたが一応本部艇に連絡してゴール制限時間の確認とリタイアしようかどうしようか悩んでいることを話しました。
「制限時間は15時でまだ間があるから良いですよ」ということだったのでとりあえずお弁当食べて食べ終わった時点での状況でリタイアするかどうか判断することに決定、本部艇にはもう少し待ってもらうことになりました。

今日のお弁当は昨日と同じサンドイッチ、合わせる飲み物は殊勝にもコーヒーと牛乳です。

なんて嘘です、コーヒーに移る前に泡の出る飲み物を1缶、2缶目は流石に気が引けてコーヒーになっただけ。
もぐもぐやっていたらゴールに向かってそよ風が出てきました。 この機を逃してなるものかとセイルを観音開きにして這うようにしてゴールを目指しやっとのことでゴールラインを横切ることが出来ました。 本部艇からは最終の船が入ってレース完了とのホーンが響きます。 良かった~。

本部艇はブイを引き上げて帰港、私もエンジンを掛けて反転、機帆走でHTBに向かいます。
皮肉なことにこの頃には東の方にやはり夕立が発生したようでいい風が吹き始めました。
操船をオートパイロットに任せて舳先に行ってゼッケンの取外しをしていたら突然ブローが入って船は横倒し寸前に、船首からこんなに傾いた船を見るのは初めてです。
これは堪らんと言うことで船を風に立ててセイルを下ろしてしまいました。

HTBマリーナに入る頃には風も治まりデッドスローで桟橋に進入、船首、中央、船尾からのロープを手にして桟橋に飛び移ってクリートに結わえて私の初レース終了です。
この赤い線が今日走ったコース、

ゴール地点の拡大はこちら、

やれやれ疲れたとゆっくりしたいところですがその間もなく15時から表彰式、手渡された成績表では私は断トツのビリ、ひとつ前の船のゴールから1時間15分遅れのゴールとなっていて1時間近くゴール前で漂っていたことが判ります。

表彰式はちゃっちゃと15分ほどで終わり、これだったら時津夏祭りの花火の時間前には帰り着きそうです。
花火の時間と重なって入港できなくなると困るので2泊の予定にしていましたがまた暑い夜を過ごすのも嫌なので予定を変更して今日のうちに帰ることにしました。 
朝はトラブル防止のため手で押したり引いたりで離岸しましたが今度は時間に余裕があるのでエンジンを掛けての離岸にトライ、後進で反対側の船の近くまで行って舵をいっぱい切って前進に入れたら上手く回頭してくれました。
HTBを後にしたらこのまま機走で時津を目指します。

帰り道、やることも無く暇なのでジブを片付けてしまいメインセイルには作ったものの出番のないセイルカバーを被せることにしました。
その心はと言うと港に着いても港は夏祭りの最中で広場通路にセイルを広げて畳むなんてことは出来っこないからです。
セイルカバーを被せ始めると問題も発生、セイルカバー製作時にはよれよれになった古いセイル、これがパリパリの新しいセイルに変わっているのでカバーの中になかなか収まってくれません。おまけに当時は無かったミニビミニも追設されていてブームとの隙間は5cm足らず、ホックを止めるにも指が入りません。結局中央部は上から被せて両端の紐を縛るだけになってしまいました。
結構苦労してセイルカバーを被せ終わりましたが所要時間は4~50分はかかったように思います。 所要時間を考えると毎回畳んで仕舞うのが正解でしょうね。
着岸後の写真ですがこんな感じです。


そうこうするうちに時津湾に戻ってきましたが赤灯台の突堤の上には今夜の花火の打ち上げ筒が並べられていました。

時津港手前でエンジンスロットルをアイドリングまで落としますがいつもの悪い癖がでてエンストこそしないものの低回転、油圧警告のブザーも回転に合わせてピピピピと騒ぎます。 仕方が無いので港の外側で暫くスロットルを調整しながら待機、回転が落ち着いたところでクラッチを前進後進と繰り返してみてエンストしないことを確認して港内に進みます。後ろからボートが付いてきましたが見たら監視と表示されていました。打ち上げ花火の規制線の監視ボートのようで「こいつ何しに来たんだ?」ってことで付いてきたんでしょうね。
さて着岸ですが桟橋の当たりは花火見物の場所を確保してるんでしょうね人がいっぱい、沢山の目が注がれる中での着岸となりました。 失敗するとみっともないところを見せることになったんですが無事何事も無く着岸、よかった。
私の後ろから来ていた監視船は私が着岸すると納得したのか港から出て行ってしまいました。


船内とデッキの上を片付けていたら日も落ちて花火の時間が近づいてきましたが疲れちゃったし昨日も花火見たしということでさっさと帰ることにして橋口さんの家の駐車場まで行き止めさせてもらっていた軽トラを引っ張り出して帰宅となりました。

家に着きシャワーを浴びて少し遅い夕食、嫁さん「で、結果はどうだった」私「うん、予想通りの超が付くどん尻だったよ」「テクニック磨けば何とかなる?」「いや~スポーツカーと軽トラでレースするようなもんだしなんともならないんじゃない」なんて会話もーー。
ま、何はともあれ初めての参加で反省すべき点は沢山ありますが事故も無く楽しく過ごした2日間が終わりました。