船、車、家、たまには旅行のこと等 備忘録も兼ねて気ままに書いています。

2025/06/16

SB2 LFPバッテリー化 30A走行充電器テスト、使えないという結果でしたがその分先が見えてきました

event_note6月 16, 2025 editBy Noriyuki Tomimatsu forumNo comments
アイドリング時など発電機の発電量が少ないときに接続したらどうなるんだろうと思っていた30A走行充電器と発電機の振る舞い、これは実験しないと判らないということで朝から早速船へ。

ダッシュボードを開けて付いていたVSR(Voltage Sensitive Relay: 電圧検出リレー)を取り外します。 これが付いたままだと走行充電器のテストが出来ませんからね。

実はこのVSR以前からちょっと動作が不安定なところがあるので今回のLFPバッテリー化に合わせて新しいものを手配しています。
回りがぐちゃぐちゃしてて見づらいですがますがそれがこれ。


手配していた30Aの走行充電器はこちら、放熱フィンを兼ねたアルミダイキャストのケースに入っててファンレスなので騒音は出しません。


テスト回路では発電機の出力はVSRを経由した後走行充電器に入りここで12Vから14.6Vに昇圧されてLFPバッテリーを充電することになります。

走行充電器は発電機の最大能力が35Aなので電流リミッターの意味合いも兼ねて30Aを選んだんですがアイドリング状態では発電能力は15A程度、この状態で発電機と走行充電器がどう振舞うかが頭の中のシミュレーションでは判らないところ。
早速テストです。

エンジンを起動すると電圧が上がってVSRがONして走行充電器が働き始めますがーー 動きはビデオ参照ください。


ビデオで分るようにLFPバッテリーへの充電電流は30Aと0Aを行ったり来たり、これあまり歓迎される動きではありませんね。
原因はVSRのON/OFF、下のような動きの繰り返しです。

1,VSRがONすると走行充電器が働き始めて30Aを出力
2,発電機の発電量がこれに追いつかないので電圧低下
3,電圧低下でVSRがOFFになり走行充電器が動作停止で0A
4,発電機の負荷が無くなることで電圧回復し再びVSRがONして1項に戻る

お前が悪いとVSRをバイパスして直接接続、充電電流は安定した30Aになりました。

ただこの状態だと鉛バッテリーから走行充電器に流れる電流は35A、12Vを14.6Vに昇圧していますからこれは当然。 この時に発電機から鉛バッテリーに補充されてる電流は約10Aのみ。


この差35-10=25Aは鉛バッテリーがわが身を削って供給してることになります。
色々試していたらあっという間に充電状態を示すインディケーターが赤色になってしまいました。

じゃ鉛バッテリーを外して発電機と走行充電器だけを繋いだら?と言うのを試してみましたが全く発電しなくなってしまい上手くいきません。
発電機のレギュレータはローターに流れる励磁電流をON/OFFして出力電圧の調整していますがバッテリーが繋がっていないとOFFした瞬間に励磁が無くなり元に戻れなくなるようです。

この実験結果から30A走行充電器の使用は諦めて発電電圧の昇圧無しで直接LFPバッテリーを充電するしかないとの結論になりました。
ま、昇圧無しでも電流をほとんど流さない時には発電電圧は14.5Vまで上昇しますからLFPバッテリーの充電停止電圧14.6Vにかなり近い値ですから一応満充電近くにはなってくれると考えていいでしょう。

これでLFPバッテリーを使ったシステムの概要が少し固まってきました。
基本はLFPバッテリーをメインにしてエンジンの起動もこちらから行い充電もこちら側に、鉛バッテリーは居候と言うか用心棒と言うかLFPバッテリーの電気を使いすぎてセルモーターが回せなくなった時に出てきてもらうというのが良さそうです。
残る課題は日頃遊んでいる用心棒のお腹をどう満たしておくかの方法だけ。
LFPバッテリーが空になった時に一緒に空にならずセルモーターを回すだけの電気を保っていなければなりませんからね。

考えられる方法はVSRを使うかダイオードを使うことくらい。

VSRを使う場合はLFPバッテリー側の電圧を検出して13.3VでON、並列状態を続けて12.8Vになった時点でOFFになり鉛バッテリー側の電気を温存する形。ただこの方法は常時VSRをONにするために電力を使うのが欠点です。 0.3A程度使いますから24時間で7Ahほど使ってしまうことになります。

ダイオードを使う場合は電流はLFPバッテリーから鉛バッテリーに流れるだけで逆方向には流れません。用心棒(鉛バッテリー)が自己放電で腹をすかせた場合にはダイオードを経由して補充して常に満腹状態に保つことになります。
この方式であればVSRのように電力を消費することもありません。
ただ逆方向には流せないので用心棒を使ってエンジン起動したら発電した電気をLFPバッテリー側に流れるようにスイッチを切り替える必要が有ります。

ま、せっかく買った30A走行充電器は使えないことが判りちょっとがっかりですがおかげでシステムの形が見えてきたので実験した甲斐はありました。

さて買ってしまった30A走行充電器どうしましょう。
キャンピングトレーラーの走行充電に使えればいいんですが電線が3.5sqなので30Aはぎりぎり使えるかどうかという値、また悩まなきゃいけませんね。