今回のトラブルも一段落したし少し余裕が出来たのでエンジンオーバーホール後起きた一連のトラブルについて考えてみました。
2019-05-31 オーバーホール後船に搭載して初運転、この後しばらくはアイドリングのハンチングなどは有りましたがしばらく平安な日々が続きほぼ毎回1発起動。
2022-02-14 冷却水と思われる黒い水がエンジン後方に飛散、ただ出どころは特定できず。
2022-03-09 排気エルボー割れと水滴飛散 割れから煤混じりの水滴が飛んだものと推測するも水の出どころは不明、ミキシングエルボーを疑う
2022-12-26 エンジンのかかり悪化 交換した燃料噴射ポンプを疑う。
2023-05-22 エンジンが全くかからずシリンダーヘッドに異常発見
2023-06-25 シリンダーヘッド修正、改造版ミキシングエルボー取り付け
ここで入院3か月ほど船は動かせず
2023-10-06 上架のためボートステーションまで運行
2023-10-17 キャビン夜話会で久山港まで往復、帰港後に冷却水らしきものの漏れ発見
2023-10-26 油圧警告灯点灯、オイル回らず、フラッシング剤投入で油圧復活するもエンジンの掛かり悪し
2023-10-31 水漏れはガスケットを疑いシリンダーヘッドの取外し、バルブ部の再腐食確認
今回に至る。
いままで個別のトラブルだと思っていたものがこうやって並べて排気ポート錆穴による冷却水浸入と絡めて考えると全部が繋がってきます。
エンジンオーバーホール後2年10カ月ほどは問題無く動いたもののこの間にもシリンダーヘッド冷却水通路の錆は進行し排気ポートへの浸入が徐々に始まったものと思われます。
排気エルボーの割れが起きた頃には割れから外部に飛散するほどの量に増加していたものと思われます。 ただ新しい排気エルボーとの交換で外部への飛散は無くなり目につかなくなりました。
エンジンが熱い状態でアイドリングが低くなる対策として燃料ポンプを交換、(これは効果ありませんでしたが)この頃からエンジンのかかりが悪くなってきました。 当時は交換した燃料ポンプを疑っていたんですが亀裂から浸みだす海水の量が増えたことで排気バルブのところにに錆がでて圧縮が悪くなっていたんだと思います。
その後も錆が進行して5月の時点で錆びたバルブシートが欠けるなどして全く圧縮が保てなくなり起動不良に、ここでシリンダーヘッドの異常発見、ただ排気ポートの穴は発見できず。
シリンダーヘッドの手直し後、錆びた原因はミキシングエルボーからの戻り水ではないかと考え種々テストを行い改良版(多分)ミキシングエルボーの取り付け。
改良版ミキシングエルボーを取り付けた後のテストで排気ポートに水滴を見ているんですがこの程度は仕方が無いのかなと諦めたんですけどね。
穴が発見された今改めて写真を見てみると水滴の中央に茶色い部分が見えますがここが錆穴だったんですね。
もう少し長い時間かけて見ていればもっとたくさんの水が溜まるのを発見できたかもしれません。 この時には気付かずに排気エルボーを組付けて再稼働。
入院している間に排気ポートに海水が溜りせっかく手直ししたシリンダーヘッドを再び錆びさせることに。
退院後、上架のためボートステーション琴海の往復と久山港での飲み会のため往復を行いましたが久山港かの帰りには排気ポートへの海水侵入が多くなり排気ガスケット隙間から浸み出てしまうことに。
オイルが回らなくなったのも大本は海水の侵入が原因で正常な圧縮が保てなくなり不完全燃で煤発生。 この煤がオイルに混入してオイルフィルターを詰まらせて油圧警告灯点灯したんじゃないでしょうか。
冷却水の漏れはガスケット不良を疑ってシリンダーヘッドを外したところで再度の排気バルブの腐食発見。 排気ポートの手直しをお願いした佐賀ボーリングさんが排気ポートに開いた穴を発見。
と言うことでこうやって眺めると冷却水通路側の錆が進行して排気ポートに穴が開いたのがすべてのトラブルの原因だったんですね。
今になって考えればオーバーホールした時に思い切ってシリンダーヘッドを新しいものに交換していれば排気エルボーの割れとエンジンが温まった後のアイドリング低下以外は何の問題も無く済んでこんなに苦労せずに済んだはずですね。
え、「その分暇つぶしが出来たし楽しんだから良いだろう」だって、ま、そうとも言えますけど。
さて今度のシリンダーヘッドはどの程度持ってくれるでしょうか、エンジンブロックも錆が酷いですがこちらも穴空かなきゃいいですけどね。
願わくば私が動ける間はエンジンにも動いて欲しいところです。 毎日祈念のお酒上げたほうがいいかな。