YCエンジンのガバナーのマイコン制御を目論んでいますがそのためにはエンジンの回転数を知ることが必須となります。
ガソリンエンジンだったらスパークプラグの放電ノイズを拾えば簡単なんですけどYCはディーゼルエンジンなので電気的に回転数が取れるところがありません。
思い付くのはオルタネーターの出力くらい。ここが交流だったら話は簡単ですが残念ながら直流、しかも定電圧のバッテリーにつながっています。
ここから回転数を拾うのはかなり期待薄なんですが唯一の望みは直流と言いながらも3相交流を整流しただけのものなので若干の電圧変動(リップル)が含まれていること。
もしこの変動が拾えてカウント出来れば回転数を知ることが出来ます。
他のサイトからの借用ですがリップル分についての説明。
上の図の一番上側の小さい凸凹の波形がリップル分ですがこの凸凹の数を数えてみようとの魂胆です。
と、いつものように前置きが長くなってしまいましたがこのリップルを拾えないか試してみることにしました。
使う道具はかなり以前にディンギー用の船外機の回転数を測るために作ったパルス成形器と周波数計測が出来るテスターです。 パルス成形器の記事は
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船外機の回転数計測の時にはスパークプラグの放電を拾うためにAMのアンテナを使いましたが今回は直接オルタネーターの出力につないでみることにしました。
発電機の出力に接続してエンジンの電源を入れると電磁式の燃料ポンプがカタカタと音を立てて動き出しますがこの電磁コイルのON/OFFで出る電圧変化はちゃんと拾っているようで12.15Hzの表示が出て来ました。
お、これだったら行けるかも、期待を込めてエンジンスタート、
LEDのピコピコが早くなりテスターの表示も変わりましたが数値が目まぐるしく変わって安定しません。
この時の周波数表示は30Hz近辺ですがこの数値について考察してみると。
この時のエンジン回転数を720RPMと仮定するとプーリーで増速されていますから発電機回転数は増速が1.5倍として1080RPM、1秒では18回転つまり18Hz、これを3相全波整流した脈流の周波数は18x6倍で108Hz。
プーリーの増速比とかこの時の回転数がはっきりしませんがちゃんと脈流のパルスが検出できていれば108Hz前後の数字が出なきゃいけないんですけどね。
動画には写ってませんが物は試しと回転数を大きく上げてみたらLEDのちかちかも止まり表示も0になってしまいました。
どうやらリップルでは無く何かのノイズ成分を拾っているようですね。 脈流検出部分にフィルターを入れるなど工夫すればちゃんと検出できるような気もしますが少し気になることが一つ。
船に100V電源用として1.5kwのインバーターを搭載していますがこのスイッチを入れるとかなり大きなスイッチングノイズを発生します。 このノイズを拾ってくれるとガバナー誤動作の原因になりかねません。
やはり光電式のセンサーなどを使って回転数を検出するようにした方が結果的には早道で正確な数字が得られるようです。
脈流からの回転数検出は諦めることにしました。