船、車、家、たまには旅行のこと等 備忘録も兼ねて気ままに書いています。

2019/12/26

SB2 え~、オズモーシスの子供が沢山

event_note12月 26, 2019 editBy Noriyuki Tomimatsu forumNo comments
ダガーボード外側は最後の整形とゲルコート塗布が終わって外側は船底塗装が可能になりました。

キャビン側は樹脂の注入完了、FRPでのダガーボードケース上部の閉鎖の作業が残っているのでこの間に船底塗装の準備を行うことにして船底の清掃開始です。
清掃は高圧洗浄機で汚れを落としていくのですがここで気になるものを見つけました。
なんと、3年前に手当てしたオズモーシスの部分に小さな膨れが沢山。
すぐに「まめ煎餅」が頭によぎりましたがこれは食えたものではありません。
「何これ?」正直ショックです。
言うなれば親オズモーシスの周りにくっ付いた子供のオズモーシス。
他の部分を見ても修理後に小さな膨れが見られます。
何か修理に不手際があったのでしょうか?

ただ眺めているだけでは解決策が見つからないのでスクレイパーでほじくってみました。
それがこの写真で前回修理した時にエポキシで貼り付けたガラスクロスの上にゲルコートを塗りましたがそのゲルコートだけが膨れているようです。
幸いその下のガラスクロスには膨れが無いので慌てて修理をする必要は無さそうです。

もう少し状況を確認したいのでディスクグラインダーで前回の修理部分を削ってみると削った部分の周囲から水が染み出てきます。
これでなんとなく「まめ煎餅」が出来た経緯が分ったような気がします。
あくまでも私の推測ですが

1、前回修理時に削った範囲が狭すぎたか水洗い乾燥が十分ではなくフタル酸などの原因物質が残ってしまった。
2、このためエポキシの上に塗ったゲルコートもしくは修理部外側のゲルコートを通して浸透圧により水分が浸入
3、内圧が上がって薄くて弱い修理部のゲルコートを膨らませた。

修理部の外周付近に子供のオズモーシスが多いのもこれだと説明がつきそうですが原因が分かったとしてもどう対処すればいいのかが問題。
前回修理した部分をすべて手直しするとなん十カ所にもなるんですごい作業量になってしまいます。

何らかの対策をしなきゃいけないんですが数が多いし、オズモーシスで沈んだ船は無いとのことなので取り敢えず様子見で今回は何もしないことにしました。
ただ、ほじくってしまった所は塞いでおかなきゃいけないので今回は手っ取り早く手持ちのグラスファイバー入りポリパテを使ってみました。
エポキシ使ってやったのにこの結果ですからポリパテでも同じかもとの判断です。
(4つの内1個だけ色が違うのは硬化剤が違うからだけです。)
さて次回の上架時にどうなってることやら。

今回はそのままにすることにしましたが対処するとしたらどうすればいいんでしょうね?
FRP内部の高濃度なフタル酸などに向かってゲルコートを透して浸透圧により水が移動して内部の圧力が上昇することで水ぶくれが出来るんですから、足にまめこさえた時と一緒で穴開けて圧力と内部物質を逃がしてしまえば水ぶくれは進行しないと思うんですけどダメなんでしょうか。
穴を開けてしまえば内圧は上がらなくなるので膨れの進行、つまり積層レイヤー間のはく離の進行は止まるはず。
おまけに内部のフタル酸などの原因物質も穴を通って海水中に拡散するので浸透圧で水が浸入することも無くなります。
こう考えると問題は無さそうな気もしますが思いつく問題としては穴を開けたために強度が落ちることと穴を通して海水が隙間に入ってしまうことによる弊害くらいなんですがーー。

穴開けだけで対処した事例がないか調べてみましたがネット上に載せられて修理方法はどれも判で押したように私がやったのと同じエポキシでの修理方法ばかり。
エポキシメーカーの回し者が記事書いてるんじゃないかと疑いたくなります。
残念ながら松尾さんもこの修理の経験はあまりないとのこと。
オズモーシスはFRP船の癌と言われるようですがエポキシでの修理は癌を切除して完治を目指すようなもの。
癌を切らずにお付き合いして延命する手も有ると思うんですがーー。

と、悩みながら船底塗装の前に船底全体をガーッとサンドペーパーで擦ったんですが子供のオズモーシスが集まった幼稚園のような場所はこの状態。
白い点々が子供のオズモーシスです。
サンドペーパーで擦ったんで膨れたゲルコートは薄くなってると思いますが内圧で破裂したらそれはそれで良しとします。

ま、がんの完治は諦めるとして私の寿命の間持ってくれるような延命策を酒でも舐めながらもう少し探してみることにします。
で、1杯。