船、車、家、たまには旅行のこと等 備忘録も兼ねて気ままに書いています。

2025/01/06

YCエンジン オイルポンプ交換 1/12追記

event_note1月 06, 2025 editBy Noriyuki Tomimatsu forumNo comments
時々エンジン起動時に油圧警告灯が点きっぱなしになる困ったちゃんのYCエンジン、オイルがカーボンで汚れてオイルフィルターが目詰まりを起こすためではないのかなとオイルが回らなくなった時のためにフラッシングオイル、予備オイルなど海上でのオイル交換の準備まで済ませました。
オイル交換と同時にオイルフィルターの分解掃除をやったのはつい最近、にもかかわらず上架のためボートステーションまで回航した時に船台の準備待ちでエンジンを停止したんですが再起動時にまたしても油圧警告灯が点きっぱなしの状態になってしまいました。
オイルフィルターは清掃したばかり、オイルもまだ真新しい、これは別の所に原因があるに違い有りません。
思い付くのはオイルポンプ、以前フラッシングオイルを使った後全くオイルが上がらなかったこともあるし低回転時にエンジンの回転に同期して油圧警告灯と警報音が鳴るのもオイルポンプの故障を示しているような気がします。
YCのオイルポンプはカムシャフトで駆動されていてエンジン2回転、つまり爆発1回ごとに1回転する仕組みになっていますから警報がエンジン回転と同期しているのも納得できる気がします。
インナーローターとアウターローターがくるくる回るだけの単純なポンプなので故障とは無縁と思ってたんですけどね。
YCのオーバーホールをやった時の記録をほじくってみるとやはりオイルポンプはオリジナルのままで交換していません。 これが原因かどうかは別にしてとりあえず交換をしておくことにしました。
ヤンマーさんに電話で在庫を確認すると400個以上の在庫が在るとのこと、多分YC専用ではなくその後のエンジンにも使われているんだと思いますが海外での需要が多いんだそうです。購入して船に持って行ってはいたものの交換の時間が取れず今日になりました。

交換自体はいたって簡単でポンプカバーのねじ3個を外して入れ替えるだけ。
入れ替えた後は呼び水というか呼びオイルを注してカバーを戻せば完了です。

交換が終わったところでエンジンを起動してオイルの回りを確認、5秒ほどで油圧警告灯が消えました。
念の為エンジンを一旦停止して再起動、今度も5秒ほどで消灯、あれ、即消灯と期待したんですが?
で、もう一度トライすると今度は即消灯となりました、よしよし。

ちなみにこれが交換したポンプアッセンブリー、ぱっと見でここがおかしいというところは見当たりませんので摩耗具合を家に持ち帰ってチェックしてみることにしました。
カバー側

背面、このシャフトがカムシャフトと連結して駆動されます

我が家に持ち帰りじっくり観察したらローターに金属の破片を吸い込んで付いたと思われる傷が数か所に在りました。どれも似たような形の傷なので同じ金属片で付いたんでしょうね



この傷の原因で思い当たるのがかなり以前ですが初めてクランクケース内部を見た時に発見した大きな金属片、これ長さ5cmほどあります。
この時の記事はこちらをクリックしてください。

これは後ほどメインベアリングの一部だと分ったんですが当時は何処から出たんだと不思議に思っていました。
この頃オイル交換の度にオイルフィルター室からきらきら光る金属片が出て来ていましたからこの小さな破片を吸い込んだんでしょうね。
ただその後もオイルは順調に回っていたんでこの傷が今回のトラブルの原因だとは言い難いです。

傷の他にインナーローターの尖がった部分の摩耗具合も気になるのでワークショップマニュアルを参考にして計測、
マニュアルでは摩耗限界は0.15mmとなっていますがこのオイルポンプを隙間ゲージで測ると場所で違いますが0.14~0.15mm、

マニュアルでは使用限界は0.15mmとなっていますから限界に達しているのは間違いなさそうです。 原因としては傷よりこの摩耗の方が黒に近いでしょうね。

まだ今後の経過を見ないとこの摩耗したオイルポンプが今回の油圧トラブルの原因とは断言できませんが症状の説明は良くできるような気がします。

  1. 長く回しても油圧が確立できない場合:隙間が大きいためドライ状態では吸い上げが出来ない
  2. オイルフィルターのレバーを回して再起動で油圧が確立する場合:オイルフィルターのレバーを回した清掃効果より再起動回数の増加のほうが効果を上げてて一旦少量のオイルの吸い上げに成功すればこれが隙間をシールすることによって油圧確立。
  3. 一旦油圧が確立すると運転中に油圧警告が出ることは無い:オイルポンプは油で満たされているのでエンジンを停止するまでは順調にオイルを吸い上げます。
なにはともあれこれで油圧トラブルが解消してくれればいいんですが。

<追記>
その後の起動時の状況です
1/8 起動即油圧警告灯消灯
1/11 起動即油圧警告灯消灯
7/12 2,3秒で油圧警告灯消灯





SB2 やっと下架、海に戻りました

event_note1月 06, 2025 editBy Noriyuki Tomimatsu forumNo comments
船を上げたのが去年の12月10日、 なんだかんだと手間取って結局年を越してしまいました。
手間がかかった大きな原因が以前の持ち主だか整備を依頼された作業者が締めすぎて頭を折ってしまったり舐めてしまったりして回せなくなったねじ類、酸化物の結晶か何かで固着してしまったラダープーリーのボルトなどねじを緩めるのに苦労したため。 ある程度大変さは予想していましたがまさかここまで苦労するとは思いませんでした。

今年に入って塗り残した部分への船底塗料塗布、これ支える場所を変えるんですがジャッキを使って支えを上げたり下げたり結構面倒くさいんです。
バインダーを塗り、船底塗料の2度塗り、ちゃんとやりましたよ。

塗料が乾く間にラダープーリーの取り付け、取り付け手順がちょっとトリッキーなんですがボルトとナットに変わった2分割部の締め付けも問題無く進んでカバー取り付けまでこぎつけました。 取り外した時の苦労に比べれば楽なもんです。

ただラダーシャフトのデッキ側軸受けはベアリングが入ってくれず結局そのままで「ま、いいか」になってしまいました。 


ベアリングが入らないのは何でかなとしっかり観察してみると、
ラダーシャフトはキール終端、船底、デッキ、の3か所でささえられているんですが芯が合ってないというか一番上のデッキ側軸受けが軸に対して斜めになっています。写真で傾きが分かりますか?
今までどうやって通してたんでしょうね。 想像するにシャフトを下から通した後にデッキ上から軸受けを通して固定ナットを締め上げたのに違いません。

言葉だけでは分かり辛いでしょうから絵にするとこんな感じ、おかげで軸受けとシャフトは強く当たる上は船尾側下は船首側が摩耗していました。
現時点ではこの修正は難しいので当面このままにしておきます。
ま、ちゃんとラダーは動くのでガタガタ音を立ててくれなければず~っとこのままでいいのかも。

最後にペラクリンPLUSを塗りましたが今まで松尾さんが出してくれてたペラクリンとは全く違っていました。

プライマー2度塗り、防汚塗料も2度塗りですが気温が低くなかなか硬化してくれません、ペラクリンの塗布だけで3日、最後の防汚塗料を塗ってから海に下ろすまで気温5℃の場合は24時間待てという説明なのでここでも1日余分にかかってしまいました。 やはり春か秋、気候が良いときに作業すべきですね。
この夏フジツボの付着がどれだけ改善するか楽しみです。

なんだかんだと細々した最後の作業も終わり、持ち込んでいた工具類、塗料などを車に積み込み、休息所になっていたトレーラーも引っ張って我が家に戻りました。

で、今日が船を海に戻す日。
先ずは昨日塗ったペラクリンの硬化状態チェック、手には付かずプルプルした感じなのでOKかな。 で、下架決定。
私が船に上ったところで梯子を外して船台を海の中に、海に浮いたら先ずは交換したPSSからの水漏れチェック、まったく漏れていませんOK。

次はエンジンの起動、オイルが回ってくれるか心配でしたが起動して暫くピッピッピッピッと断続的な警報音を出しながら油圧警告灯が点滅、駄目かなと思ったところで警報は消えてくれました。 よかった!
でもこのピッピッピッピッの警報音エンジン回転と同期してるのでオイルポンプが絡んでいるような気がします。

暫くはアイドリングでペラを回して再度PSSのチェック、回転しても水漏れは見受けられません、よしよし一安心です。
PSSに付けた冷却水ホースというか私の場合はエア抜きホースですけどホースを見ると思ったより高い所まで海水が来ています。 もう少し低い気がしてたんですけどね。
ま、このホースのおかげででエンジンルーム内で喫水の確認が容易になりました。

気になっていた部分のチェックも終わり巡航速度まで回転を上げますがペラも船底も綺麗な状態なのでさほどスロットルを上げなくても5ノットで走ってくれます。
さて今回の最大の目的だったプロペラシャフトからの騒音低減はというとーー、正直微妙。
劇的に静かになったとは言い難くちょっとがっかり、苦労したのに😞。 

ここで船底メインテナンスの効果を見るためにフルスロットル、C-Mapの速度表示は6.5ノットを越えたり越えなかったり。 やはりこの船の最高速度は6.5ノットで間違いないようです。(条件が良ければ)の但し書きが付きますけどね。
この時のペラからの騒音は大きくは増えないのである程度の効果は有ったようです。
口之津からの帰りに6ノットまで速度を上げた時には時折ガガガっと船体全体に振動が伝わるような大きな振動が在りましたからね。

シャフトの振動と騒音低減についてはカットラスベアリング内径が大きすぎたせいもあるのかある程度の効果で終わってしまいましたが腐蝕したシャフトとPSSの交換で安全性はアップ、特にPSSからの黒い水の飛散が無くなったのは気持ちが良いです。
ラダーシャフトからの異音も怪我の功名で無くなって静かになりました。
今回のカットラスベアリング交換は構造が分からず苦労した部分も有りましたが次回は手順も分かってるしねじ類の取外しに苦労はしないでしょうから2日もあれば出来るような気がします。 カットラスベアリングもサイズがわかっているので事前手配できますしね。
次の上架時に再チャレンジしてみますか。
今回は船底塗料も奮発してシージェット033PLEMIUMを2度塗りしたし、ニューペラクリンPLUSも塗ったし、これでフジツボに泣かされずに1年過ごせればいいんですけどね。