先日ヨット先輩の橋口さん竹村さんに同乗いただいた折に竹村さんに操船をお願いしたんですが「このスロットルレバー動作が逆ですよね。 普通は前方に押して増速なんですがこの船は後ろに引いて増速になってますね。」とのコメント。「へ?」この船入手した時から引いて増速となっていたのでこれが普通と思ってたんですけどね。バイクのスロットルも手前に捻って加速だし。
ちなみにこれがSB2のコントロールレバーで2レバー式、長い方のレバーが前進後進の切り替えで前に押して前進後ろに引いて後進中間がニュートラルになっています。
短いレバーがスロットルで現在は一番前に押したところがアイドリング、後ろに引いて増速です。
ま、言われてみれば船で主流となっているシングルレバー(ギア切り替えとスロットルが一体となっているレバー)では前進に入れる時には前に押してそのまま前に押し続けて増速となっています。
2レバー式ではどうなってるのよと調べてみるとギアレバーは前に押して前進、スロットルレバーは前に押して増速が一般的なようです。
この際と思って他の乗り物も調べてみたら、飛行機は前に押して増速引けば減速、列車は日本と欧米で違っていて日本の列車は引いて増速、欧米の列車は押して増速と逆になってるんだとか。
で、今日は船を出したいなと思っていましたが昼頃に一時雨の予報、出すのは止めて昼飯を食ってたら結構激しい雨がやって来ました。 止めてて良かった。
ただこの雨も暫くしたら上がってしまい特にやることも無く暇、ということでスロットルレバーの操作方向を反対に変更してみることにしました。
はい、いつものように長~い前置きでごめんなさい。🙇
船に向かいますがこの2レバーは絶対にインチねじだよねと言うことで愛用しているブラックアンドデッカーの工具セットを持参です。
船にはほとんどの工具を積んでいるんですが唯一無いのがインチサイズの工具、このセットはインチ、ミリ、両方が揃っていて重宝しています。
さて作業開始、現在のクラッチケーブルとスロットルケーブルはこんな感じで取り付けられています。奥がクラッチ、手前がスロットルです。
スロットルケーブルは長さが合わなかったのか先っぽが折り曲げられています。
操作方向をひっくり返すにはこのスロットルケーブルが付いているレバーを逆の位置にするだけなんですがーー、問題はこの折り曲げられた先っぽ。
(レバーシャフトとの取り合いが六角穴になっているのでレバー自体は簡単に逆向きに出来ます。)
ケーブルの中のワイヤーを180度回せれば簡単なんですが捩じりばねみたいな状態で捻ってもすぐに戻ってしまいます。
仕方が無いのでエンジン側も外して回してみましたが180度回した位置にしようとしても勝手に360度回って元の位置に戻ってしまってなかなかうまくいきません。
ケーブルシースごと回さなきゃいけないのねと言うことでシースを押さえているねじを緩めようとしましたが固着していて動いてくれません。
無理するとねじを舐めてしまいそうなので諦めてエンジンルーム内でのケーブルルートを色々変えてみて(ケーブルの曲がりの状態が変わります)何とか90度までは回ってくれるルートを確保、残り90度は無理やりひねりのテンションが掛かった状態で留めてしまいました。
内部のワイヤーにひねりのテンションが残っているのが気に入りませんがレバーを動かしてみても動作自体には問題が無さそうなのでこれで良しとしました。
最後の仕上げはアイドリング調整だよねとエンジンを掛けてみましたがアイドリング回転数は今までと同じのようです。
ケーブルの長さが変わらずに対象の位置に行っただけなのでこうなるんでしょうね。
これでアイドリングの位置は後ろ側に変わって一般的な船の仲間入りと言うことになりました。
今後は船へのお客さんも違和感なく操船できるでしょうし、私の方は直ぐに慣れるでしょうから目出度し目出度しと言うことでいいんでしょうね。
<追記>
この操作方向変更で嬉しいこともありました。
このスロットルレバーは操作された位置を保持するために写真にある円盤の後ろ側にばねで押し付けられたボール(鋼球)が在ります。ただ長年の使用でこの円盤にはボールが作った溝が出来ていて押し圧が無くなっているのかアイドリングより少し高い位置にレバーをセットしても勝手にアイドリングの位置に動いてしまうという悪癖を持っていました。
今度の操作方向変更によって今まで使っていなかったフルスロットルの位置に変わりますからこの辺の摩耗は全く無し。 ボールによる押し圧も十分なようでセットした位置をちゃんとキープしてくれるようになりました。
これで着岸時にアイドリング✙ちょっと高めの回転数のキープが楽になり着岸時のエンストの危険性が大幅に下がりました。