前方側板とダッシュボードの切り出しまでは終わったのでやっとエンジンルームの前面(キャビン側の面です)の工作に移ることが出来ます。
さてどう作りましょうということで最初は簡単に開け閉めできるように観音開きのような形にしたらどうかと考えましたが、扉を開けるにはキャビン入り口の階段を外さなきゃいけないし、開けた扉が邪魔になりそうだしということで一般的な挿し板方式にすることにしました。
これだったら取り外した挿し板を何処か邪魔にならない所に置いておけばエンジンルーム開けっ放しにも出来ます。
そうと決まれば(写真が無いのですが)まずは挿し板を切り出すことから、これは12mm厚のバーチ合板をつかいました。船体側のバルクヘッドの上に乗っかるのですがバルクヘッドが水平には出来ていないので材料になる合板を当てて形を取って切り出しました。
挿し板が準備できたら挿し板のための溝を側板に準備しなきゃいけません。
後ろ側は普段は見えない所なので造作はあまり気にしなくても済みますが前面はキャビンから一番目立つ位置になるので少し格好良く仕上げたいところです。
ということで後ろ側はとりあえず12mmの合板を切ってねじ止め、最終的には接着剤の併用で固定したいところですが位置の微調整が必要になるかもしれないのでねじも2本だけで止めています。
前側の板は側板の木口にねじ止めか接着になるのですが12mmの木口に止めるのはなんとなく不安があるので側板の外側に6.5mmのバーチ合板を貼り付けて見た目の良さと補強を兼ねることにしました。
これからの作業は港木工所でなくても出来るので我が家に持ち帰ってからの作業です。
貼り付けには耐水性が良くて接着も強力硬化時間も早いというアメリカ製のTitebondを使いました。切り出した縁板にボンドを塗ってクランプで押さえています。
ただ接着剤を多めに塗ったので盛大にはみ出してふき取りが大変でした。
ま、この接着剤の良いところははみ出した分は水拭きで綺麗に出来るところ、エポキシを使っていたらはこうはいきません。
接着剤の硬化を待ってる間に前側の板を準備しなきゃいけませんがここでちょっぴり材料を何にするか思案。
最初は9mmか12mmのバーチ合板を使おうと考えていましたが見た目的にも強度的にも少し固い木の単板がいいよねということで近くのホームセンターに出かけて材料を探しましたが残念ながら良いものが無く空振り。
やはりバーチ合板かと思いながら帰宅しましたが途中でそう言えば我が家にちょうど良さそうな古い板が有ったことを思い出しました。ずいぶん昔に実家に親父が残していたものを持ち帰ったやつです。
引っ張り出してみたのがこの真っ黒けになった板、ちょこっとだけカンナを掛けてみるとどうやら樫材のようです、厚みも12mmくらいで目的にぴったり。
これを40mmの幅に切り出して鉋で削って綺麗にしてあげました。
綺麗になったところで今度は切込み。
バルクヘッドの上端が下がっているので前板もその分下まで延ばさなきゃいけません。
この部分なんと呼ぶんでしょうね、尻尾でいいんでしょうか?
え、何の説明か良く分からないって。すみません、後の写真で分かるかと思いますのでーー。
ここの加工はまず切り取るコーナー部分にRを付けたいので12mmのドリルで穴あけをし、その後丸鋸で切り取りました。
これで側板への取り付け準備完了。
側板への取り付けはねじ頭が見えないように接着にしたいのですが木口に付けるため長い締め旗が必要なんですが生憎持っていません。
仕方がないのでねじ止めで済ますことにしました。
で、とりあえずねじ止めしたのがこれ、側板の上の方にも余分な角が出ていますがこれには意味がーー。
加工した尻尾部分が船体側と合わずに加工のやり直しが必要になった時には出っ張った角の分を下にずらしてもう一度チャレンジできるようにするためのバックアップになっています。
ここまで進んだら船体と合わせてみないと先に進めません。面倒ですが船まで持って行って収まり具合を確認しました。
さっき尻尾と呼んでいた部分はこんな風に収まって挿し板を押さえることになります。
尻尾の先がバルクヘッドを止めているFRPの盛り上がりと干渉してぴったりついてくれないので鋸と鑿を使って少し削ったらちゃんと収まってくれました。
挿し板を差し込んでみましたがなかなかいい感じ、ただ溝幅が若干大きすぎるようで少しがたつきます。これはもう一度鉋を当てて調整することにします。
側板と挿し板の会い具合を確認できたので再び家に持ち帰り最後の仕上げ。
先ずは側板の前端に鉋を当てて溝幅の調整、板を通してみて隙間を確認、約1mm弱とちょうどいい隙間になりました。
あまりきっちりに仕上げると塗装したら今度は動かせなくなりますからね。
隙間の確認が出来たので接着剤とねじを併用して固定してしまいました。
次は挿し板、板と板の合わせ目に前後の動きを規制する板を貼り付けます。
これってなんと呼ぶんでしょうね、どうもこんな知識が無くって困ります、とりあえず当て板と呼んでおくことにします。
名前はさておきねじが見えないようにここは接着だけで済ますことにしました。
先ずは位置を決めて接着剤がはみ出してもいいようにマスキングテープを貼り、接着剤を塗ってクランプ。
側板の時には接着剤を多く塗りすぎて大量にはみ出したので今回は少し遠慮がちに塗布したのではみ出しは有りませんでした。
後は接着剤の硬化を待って側板の方はバックアップとして残していた余分な角を切り落として鉋を掛けて完成。
挿し板の方はクランプを外して今度は裏側にも当て板を取り付けます、こちらの方はねじが見えても問題ないし、何かあった時に調整が出来るようにねじ止めにしました。
あ、後ろ側の当て板は前側より少し短く出しておきます。こうしておくと差し込む時に引っ掛かったら前から押さえて上から押せばすんなり収まってくれます。
これでエンジンルームの下半分は全てのパーツが揃いました。
最後に残っているのが面倒くさそうなダッシュボードの穴あけと挿し板の上に被せる天板の作成です。
あと少し!