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2019/01/02

SB2 ウォーターロックについての考察

event_note1月 02, 2019 editBy Noriyuki Tomimatsu forumNo comments
Onan製のMarine Mufflerを頂いたんでこの製品について少し調べてみました。
この会社は基本的には発電機セットのメーカーで船用のディーゼル発電機などを製作販売しているようです。
このマフラーも舶用ディーゼル発電機の排気に使われていたものだと思われますがこの会社が製作したものではなく舶用排気システムを専門にやっているCENTEK MARINEのOEMらしいことが判りました。
この形のものは水を排気圧で押し上げるため一般的にはLift Mufflerと呼ばれ使い方は下図のように示されていました。

正直、これを頂いた時には出口側が真上に向いているのを見てホースが繋ぎにくいんじゃないかと思いましたがこの図で納得、基本的には真上に押し上げる考え方のようです。
でも、書きたかったのは頂いたウォーターロックの素性ではなく素性を調べてる最中に見つけた排気システムに関する面白い情報でSEABOARD MARINEなる会社のウェッブサイトに載っていました。(詳しくはこちらをクリックしてください)

この会社のエンジニアによると一般的に信じられている排気システム(下図)は迷信の様なもので問題だらけとのこと。
彼が問題点を図の中に朱書きしています。
正直私はこのようなシステムで本当にちゃんと冷却水が出て行ってくれるんだろうか、絶対に排気系に水が残っちゃうよねと疑問に思っていました。
彼の意見ではこの出て行ってくれない水が問題で最悪の場合エンジンが掛からずに(つまり排気の圧力が十分ではない)セルモーターを回し続けると排気系が水浸しにり最終的にはエンジンの排気バルブに戻ってきてしまったり、また船を上架するときに船尾が高くなると排気系に残っていた水がエンジンに流れ込んでてしまう可能性も大きいとのこと。
やっぱりねー。

で、一番基本的な排気方法はミキシングエルボーへの冷却水入り口の高さを喫水から最低でも12インチ(30cmほど)高くして排気口までは下り配管にして自然に流してしまう方法。
この12インチの出所が不明ですが排気口から波などで戻ってくる水に対して必ず守らなけばいけない高さのようです。

ただこれでは大波などで突発的に大量に排気口から戻ってくる水に対処できないのでバッファーとしてリフトマフラー(ウォーターロック)が必要になり この場合の本質的に安全な形は次の図で示されるそうです。
要約すると
冷却水のミキシング点は喫水から最低でも30cm以上高いこと
ウオーターロック出口のホース高さは冷却水ミキシング点より低いこと
船尾の排気口までは水が自然に流れる勾配が有ること
だそうです。
確かにこれだったらエンジンが掛からないときでもセルモーターで排気系が水浸しになることは避けることが出来ます。
水は必ず高いところから低いところに流れるのでエンジンルームに余裕があるれば冷却水ミキシング点を可能な限り高くすることが安全な排気システムを構築する要だと記載されていました。
たしかにミキシング点がマストの天辺(極端すぎるかな)にあれば転覆でもしない限り絶対にエンジンまで逆流することは無いでしょうしね。

う~ん、これって説得性がありますよね。
私もこれだったらすんなり納得できます。
なんと言ってもウオーターロックから出た水がどこにも溜まらないのがいいですね。
で私なりに情報を整理してみました。
1、ウオーターロックから出口までは下り勾配
2、ウオーターロック出口の高さは波で戻る水がウオーターロックに出来るだけ入らないように喫水上30cm以上
3、ミキシング点からウオーターロック入り口は必ず下り勾配、それも急なほうが望ましい
4、船が揺れた時でも万が一満杯(ウオーターロック出口高さまで)になった水がエンジンに戻らないようにある程度の差をつける。数センチ?とりあえず5cmにしておきますか。

ここでちょっとだけ気になるのがグースネック、
余談ですがグースネックではなくスワンネックと呼ぶこともあるようです。ま、ガチョウの白いのが白鳥でしょうから首の形状はおなじですよね。
話を戻して船尾に波対策でグースネックを取り付けたほうが好ましいとあちこちに書かれています、ヤンマーのマニュアルにも下の図のような記載があるそうです。
ヤンマーではネックの高さを350mmと記載していますが上記の12インチがそれにあたるんでしょうか?
こういった高くなった部分が船尾に有るのとエンジン側に有るのでどんな違いが有るんでしょう? 流体力学に不勉強な私にはその差がよく分かりません。
ただあちこちググってみましたがウォーターロック(リフトマフラー)の出口で高く上げた排気システムでは船尾にグースネックを取り付けたものがほとんど見られないので同じ働きをしてくれてるんだろうと解釈していいような気もします。
ま、このヤンマーの推奨も迷信システムと同じで排気系にはたっぷり水が残るみたいなんで私的にはあまり使いたくないシステムですけど。
実際 他のサイトでは排気はほとんど出口に向かって下り勾配にすることを推奨していました。

で私なりの考えを絵にまとめてみたらこんな形いで良いんじゃないかということになりました。
ま、多少間違った部分が有るとしても今までの排気システムに比べれば格段に安全でしょう。
ちなみに下の絵が今までの排気システムです。

今までのものはウオーターロックの出口高さは喫水上5cm程度、きちんと測ったわけではないのでもう少し高いのかもしれませんがミキシングエルボーの高さが15cm(こちらはちゃんと測りました)なのでこれよりも低いのは確実です。
実際、いままでの排気システムでも40年近く無事に動いていたようですからこれより悪くなることは考えられません。

ま、考察はさて置き年も明けたことだし早くエンジンの試運転やらないと先に進みませんが、軽トラいつ戻ってきてくれるんやら。やれやれ。

<追記>
FRPで自作を試みていたウォーターロックは諦めて頂いたやつを使うことにしました。
根性無しですが、こちらの方が安全そうだし、なんと言ってもガラス繊維のチクチクに悩まなくて済みそうなんで。







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