ボルトがデッキ上とキャビン内に跨ってるんで一人では緩めることも締め付けることも出来ないんです、皆さんこんな時にはどうやってるんでしょうね?
本来であればデッキとマストベース間のシールもやり直したいところですマストベースは動かすことが出来なさそうなので今回はボルト部分だけの防水追加です。
デッキとマストベース間のシールがまだ生きてることを祈るしかないですね。
嫁さんにキャビン内でボルトの頭を押さえてもらってデッキ上のナットを外します。
きっとボルトを締めた時にはシーラントを使ったんだと思いますがナット部分には何も残っていませんでした。
写真でも判るようにナットの裏にはダガーボード上げ下げワイヤーの貫通穴を塞いだ時に塗った白色ペイントが流れ込んでいました。これではボルトのネジ溝を伝って水が浸入して当然です。
取り外したボルトは湿った汚れで真っ黒け、ボルト穴の中も真っ黒、水と一緒に汚れも侵入したんでしょうね。
再締め付けは+頭の古いボルトは使わず6角穴付きのボルトを使うことにしました。こちらの方がしっかり締め付けが出来ますからね。
余談に近いですがヨットにとって一番大事なマストを止めてるボルトということで敬意を払って耐海水性に優れたSUS316の物を使いました、これ結構値段が張るので懐にはつらいです。
穴の中も出来るだけ綺麗に掃除して、といっても湿ってるしどれだけ綺麗に出来たかは疑問、シリコンシーラントを穴いっぱいに注入してボルトを部屋側から差し込みます。
デッキ側の固定は防水ワッシャーと袋ナットを使って締め付けです。
袋ナットを使ったのは出来るだけねじ溝の露出を減らしたかったのと見栄えも良くしたかったためです。 やはりねじの尻尾が見えるより格好いいですからね。ちなみにこちらもSUS316です。
4本のボルトの内3本は何の問題も無く再締め付けが出来たんですが1本に問題発生、締め付けていくとしっかり締まらないうちに袋ナットの底に突き当たってそれ以上締め付けが出来ません。
「あれ、ここだけデッキと天井間の厚みが薄いのかな」と思って室内側のワッシャーを1枚余分に追加、でもダメ。 今度はデッキ側の防水ワッシャーと袋ナットの間にスプリングワッシャを余分に入れて「これでどうだ」と締め付けていくとーーー、部屋の中から「ボルトの頭がどんどん沈んでいくよ」と嫁さんの声。
部屋の中に入って塗装を剥がして様子を見てみると天井側のFRPが割れています。
今回は一度もぎゅっと締まった感覚が無かったので建造時に締め付けすぎて割ってしまったんじゃないでしょうか? 稲毛造船さんが犯人?
仕方が無いので座屈して内側に凹んでしまった天井にパテをあてて修復することにしました。 手元にホルツのファイバー入りパテが有ったのでこれを使いました。
ドラえもんのポエットよろしく何でも出て来ますね、じつはこれ船首を岸壁にゴッツンコした時の修復に使った残りです。
パテをこねて、
天井にペタペタ、上向きなのでとってもやり辛いです。
硬化を待ってデッキ側から穴を開けなおして(塞がってしまってますからね)幅広ワッシャーを当てて締め付け。
今度はしっかり締まる感触が有りますが締め付けていくと「水がでてきたよー」とまたしても嫁さんの声。 見てみると隣のマスト取付ボルトと電線貫通あなから水滴が落ちています。 天井裏のスタイロフォームなどに溜まっていた水が圧縮されて出て来たんですね。
一体どれ位の水が天井裏に溜まっているのか判りませんが考えると頭が痛くなるのでこれ以上考えないことにします。きっと出口がないので廃船解体までず~っとそのままなんでしょうね、あ~やだやだ。
ま、何はともあれデッキ上のナット部分の防水処理は出来たと思うので後は様子見です。
これでまだ電線貫通穴から水が落ちてくるのであればデッキとマストベースの間から水の侵入が有ると考えるしか有りませんからどうやってシールをやり直すか真剣に考えなきゃいけなくなります。
「これで雨漏れが止まってくれますように、神様、仏様」と祈念して1杯。
<2021-06-27 追記>
この後3か月近く経ちましたが強い雨の後でも雨漏れの形跡は見当たりませんのでこの作業で雨漏れは収まってくれたようです。
パテには白色ペイントを塗って綺麗になりました。
目出度し目出度し。
パテには白色ペイントを塗って綺麗になりました。
目出度し目出度し。
屋根に帯水層があるということですね。腐ったりしないから大丈夫ですか。JT
返信削除そうなんですよ、間にある発泡ウレタンは基本的には吸水性は無さそうですが発泡体とFRPの間に溜まるんでしょうね。
削除腐るものは無いからあまり心配する必要は無いのでしょうけどやはりきもちの良いものではありません。
水が流れていきそうな低い所に穴開けたら水が出てくるかもしれませんね。