船、車、家、たまには旅行のこと等 備忘録も兼ねて気ままに書いています。

2019/11/06

小浜ー長崎 ヨットレース

event_note11月 06, 2019 editBy Noriyuki Tomimatsu forum2 comments
ひじゅんⅢのオーナーに誘われて小浜から長崎(福田サンセットマリーナ)まで40マイル(海里)のヨットレースにお供することになりました。
役割はクルーですが経験不足なんで足手まといになることが多いかもしれませんけどね。
着替え、寝袋、救命胴衣、などにプラスしてマイ焼酎などしっかり準備、あれも要るかなこれも要るかなで準備したんで結構大荷物になってしまいました。
家を出るときには嫁さんから「迷惑かけないようにね」と念を押されてしまいました。

9:30頃に船長の山崎さんと船(ひじゅんⅢ)のそばで会って荷物の積み込み。
10/31 10:00に諫早の久山港を出発、大村湾を南から北に縦断して西海橋に向かいます。

ここは渦潮で有名な場所で潮の流れが速いので潮が止まる時間に合わせての出航です。
今回は機走がメインですが走り始めるとやはり私のYCに比べるとひじゅんⅢの2GMはエンジン音、振動とも格段に小さく静かです。 あ~、羨ましい!

3時間ほどで西海橋(針尾瀬戸)に到着、ここで船長はしっかり海図をチェック、海図を見る目はプロの目です。
この時間は転流の時間ですが若干流れが残っていて渦を巻いている部分も有りますがそのまま進みます。
舵は船長にお任せですが私の方もちょっと緊張、なにせ今までここは大変だと皆さんに散々聞かされていましたからね。
そんな私の緊張をよそに船の方はあっけなくここを抜けてしまいました。
潮止まりを狙った小さなボートも瀬戸の中に何隻も出てきてたんで時間さえ間違えなければ私でも通れそうです。 なんだかホッとしました。

針尾瀬戸を抜けたところで今日の停泊地大島の港に向かいます。
ここには大島造船なる大きなドックが有って巨大なガントリークレーンが目の前。
ここには連絡船が止まる大きなポンツーンと小さなポンツーンが有りましたが定期船の最終便まではまだ時間が有って係留は出来そうにないし、小さな船は工事関係者が使っているようで泊めれるかどうかは疑問。
脇に新しく建造中の真新しいポンツーンが有ったのでこの上に居た人に尋ねてみましたが商品なんで無理ですとの答え。
結局ポンツーンに泊めるのは諦めて岸壁に係留しました。下の写真で上の方に写っているのがそのポンツーンです。

後は船を降りて町まで歩き総菜の買い出し、これをつまみに1杯で本日終了。

2日目は大島港を出て野母崎までの予定とか。
面白いことに昨日着けたかった大きなポンツーンは連絡船が新しく出来た港に引っ越したため今日からはフリーになっていてターミナルも閉鎖されていました。
さて出航、船長はしっかり海図を見ながら寺島水道を通過。やはり事前に浅瀬などの情報を確認することが大事なんですね。
海図なんて今まで見たことも無い私にとっては今後の安全航海のためにいい勉強になりました。 

今日の目的地までは少し時間的な余裕が有るとのことでエンジンを止めて帆走開始。
ただ真後ろの風なんで船長も帆のセッティングに苦労していました。
私もそうだったんですがヨット未経験者には真後ろからの風が一番楽で早そうに思えるんですが実際はその逆で安定して走らせるのが難しくスピードも出ないんですよね。
そのうちに風が弱くなって再びエンジンに切り替えて軍艦島の傍を通過、「こら、写真撮るのに邪魔」と言われそうでしたが軍艦島見物のクルーズ船と軍艦島の間を通ってしまいました。 ごめんなさいね。
この後すぐに野母崎港に到着、ここにはポンツーンが有ってここに係留。
私たちの直前に入港した神奈川登録のヨット「OBRIGADO]のオーナーが係船ロープを受け取ってくれました。 
この港のすぐそばには「Alega軍艦島」なる保養施設があって温泉を堪能、極楽極楽。

風呂の後船長と二人で晩酌を楽しんでいたらOBRIGADOのオーナーが訪ねて来てくれて暫し歓談。話を伺うとお住まいは千葉でヨットは長崎に置いていて年に3か月ほどセイリングを楽しんでおられるとのこと。
体験談ではヨットが横倒しになって起き上がるまで15分掴まっていたとか、船から落ちてハーネスのおかげで命拾いしたとかの話をしてくれて安全対策の重要性を再認識。
それにしてもいろんなヨットの楽しみ方が有るんですね。
焼酎も1杯では済まなくなってしまいましたが夜も更けてお開きでお休みなさいとなりました。

3日目の朝、Alega軍艦島のトイレを借りましたがお腹がぐずぐずする割には便秘のためか出るものが出てくれません。 暫く時間を掛けましたがそれでもだめで諦め。
船に戻ったら船長が少しイラついた様子で待っていました。
6:00調度に出航の予定だったようで私がスケジュールを乱してしまったようです。ゴメンナサイ。
野母崎港を出て小浜に向かいます、野母崎と樺島を回った所から波が高くなり風ももろ向かい風、どったんばったんとピッチングしてなかなか先に進まず速力は3ノット台。
ここで困るのが船の向き、広い外洋なので目標物が見えずどっちに舳先を向ければいいのか悩んでしまいます。
昨日、海図アプリはC-Mapがいいよと船長に教わって早速スマホにインストールしていたんで試しに使ってみました。
小浜を目的地に設定して現在位置からのルートを表示、ナビモードを選択すると自船の向き、速度、コースからのずれ、目的地到着の予想時間などを表示してくれる優れものでした。
橘湾の奥に進むに従い波も風も収まってスムーズに走れるようになりました。

13時過ぎに小浜に到着、ここでレースからの同乗予定の山本さんと合流。
小浜の港にレース参加予定のヨットが次々に入ってきますがどれも大きな船ばかり。
どうやら我々の船より小さい船は無さそうです。
夜は前夜祭ということで宴会、新参者の私には知り合いがいませんが山本さんは顔が広くて沢山の人と挨拶を交わしていました。
山本さんの知り合いも含めて2次会はヨットの上でということで暫し歓談、明日が早いからと言いながらも結構遅くまで飲んでいました。

さて4日目、レース当日です。
スタート時刻は6:30ですが係船場所の関係も有り早めに港を出てスタート地点へ移動。
とは言うものの、私の方は目が覚めたのは船が港から出る頃で何とも頼りにならないクルーです。
他の船も出てきてゴールライン手前で待機、どれも大きな帆で早そうです。
元々我々のひじゅんⅢのベースとなる「ノラ26」は小さな船体で大きなキャビンを速度は2の次とのコンセプトで設計されたクルージング用の船なんで、さてどれだけ走ってくれますか。
スタート前の風の方向を見て船長はスピネーカの使用を選択、スタートの合図とともに展開してレース開始です。
この時点では風が弱くどの船も走らせるのに苦労をしていたようですが性能の差がでて徐々に間が開いてゆきます。 やはり我々は他の船のお尻を見ながらの走行となりました。
風も弱いうえに真後ろからなのでなかなかスピードが出ません、船長は帆のセッティングをいろいろ試していましたが到達速度は2ノット台。
小浜からゴールの長崎までは40海里、制限時間が10時間なので平均速度で4ノット以上じゃないと失格になってしまいます。
結局11時頃には船長判断でゴールを諦めてリタイア宣言。

う~ん、スループでスピネーカを持ってるひじゅんⅢでもこれなんですから私のガフリグではもっと悲惨でクラゲにも追い越されるような状況になるんでしょうね。
仮にスピネーカを準備するとしてもマストが低いので大きなものは使えませんしーー。
レースには近寄らない方が身のためのようです。

リタイア宣言をしたところで今日の停泊地に向かうため機走に切り替えますがここでトラブル発生、船長がセルモーターのスイッチを入れますがゴンといった音がするだけで回ってくれません。 一瞬ペラに何か巻き付いたのかもと思いましたがクラッチはニュートラルなのでこれは無し。
デコンプを使ったらセルモーターは回るようになりましたが起動してくれません。
船長と一緒にエンジンルームを見るとなにやら液体が床にこぼれています。
船長が舐めてみて「これ海水」、出所を探したらエアクリーナーの所から出ているようだとのこと。
エアクリーナーを取り外したら海水が流れ出て来ました。
この状態でセルモーターを暫く回したら無事エンジン起動、ラッキー、これで漂流は免れます。
どうやら何らかの原因でシリンダーに海水が入りセルモーターを回した時には液体圧縮になって回ってくれず、デコンプを使った時に海水が排気バルブから押し出されてセルモーターが回るようになったようです。
吸気弁からの海水は液体圧縮となった時に吸気弁からエアクリーナーの方に海水が押し出されたものと思われます。
それにしても今日の朝はちゃんと起動出来たのでその後短時間のうちにシリンダーに海水が入ったことになりますが何処から入ったのかはまだ???
怪しい順に並べるとシリンダーヘッドガスケット、ミキシングエルボー、ウオーターロックからの逆流、の3つが考えられますがエンジン開けてみないと判らないでしょうね。

このトラブルで船長の顔が曇ってしまいましたが一旦起動したエンジンは順調に回り続けて停泊地の池島に日没直前に無事到着、ポンツーンに船を係船してお風呂へ。
残念なことに港に隣接したお風呂は今日は休業、少し離れた丘の上にある風呂に向かいます。 ちょっと道に迷いましたが到着したお風呂は工場の風呂といった風情のお風呂で先に入ってた人が帰った後には我々3人だけの貸し切り状態、きっと炭鉱が稼働していた最盛期には沢山の人が利用して賑わったんでしょうね。
船に戻って少し遅い晩酌タイムになりました。

5日目、最終日です。
西海橋(針尾瀬戸)の潮止まりに合わせて6時に出航、今日もまた目が覚めたのは出港時のエンジン音。 何ともま~だらしない船員です。
それにしても今日はデコンプを使ったとはいえ簡単にエンジン始動、海水は入ってなかったようでガスケットが原因の可能性は少ないかもしれません。
途中で2本マストの大きなヨットと出会いましたが船籍を見てみるとNew Port ORと記載されていてアメリカ オレゴン州からの船でした。
船の上には夫婦と娘と思われる3人が見受けられましたが家族で旅行しているんでしょうね、羨ましい限りです。
帰りも船長の的確なスケジュール調整のおかげで潮止まりの時間に西海橋の下を難なく通過、大村湾に戻りました。
ここから久山港まで一直線なんですが風も強くて波が高く船が大きくローリングします。
山本さんの経験ではこんな時には帆を上げて機帆走にすると帆がダンパーの役をしてくれてローリングが小さくなるとのこと、勉強になります。
波に揺られながらも久山港に無事帰着、荷物を船から下ろして船長は山本さんを小浜で送っていくとのことでここで解散となりました。

出航から帰港まで5日間の旅でしたがあっという間に終わってしまいました。
クルーとしての仕事はほとんど出来ず船長に迷惑を掛けただけだったのかもしれませんが針尾瀬戸の通過と外洋航海が出来、私としてはいい経験となりました。
山崎船長、山本さん、これに懲りずに次もまた誘ってください。
次もまた誘ってもらえることを祈って1杯です。





2 comments:

  1. 次回の五島帆走レポートを楽しみにしてます。JT

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    1. エンジンルームまでは出来ましたが他の室内調度はまだ手付かずの状態で居住性ゼロ。
      宿泊クルーズに出れるのはいつになるんでしょうね。

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