先ずはこの準備作業から開始です。
ちょっと前置きが長くなりますがーー。
全開の上架時に本来のダガーボーの手直しが間に合わず時間切れとなり苦肉の策でダミーのベニヤ板製のダガーボードを取り付けて海に戻しました。
ま、すぐ壊れるかもと思いながらのお遊びでしたけど。
この時は本来のダガーボードの手入れが終わったらもう一度陸揚げして取り付けるつもりだったんですけど 物は試しでこのベニヤ板ダガーボード走ってみましたが思いのほか良く走ってくれました。
「お、ベニヤ板でもちゃんと走るやん」ということと いろいろ忙しくなったのも有って結局そのままほっぽらかしで今日まで来てしまいました。
で、ちゃんとしたものに戻すべくベニヤ板製のダガーボードを取り外したのがこれ、見事に折れて先っぽが無くなっています。
いつ折れたんだろうと考えてみると2度目に走った時にはほとんど登ってくれなかったので最初に走った時の帰りころには折れてしまったようです。
ま、当たり前と言えばそれだけなんですが人の手で折ろうとしても簡単には折ることは出来ないので風の力はすごいこと実感。
本来のダガーボードは可動式ですが可動式にするために発生した副作用も多く今回は固定式にしてみようと新しいダガーボードも準備しました。(こちらをクリック)
材質は16tの鉄板ですが松尾さんがFRPで巻いて錆対策をしてくれました。
船台の構造上船が乗っかってしまうとダガーボードがセット出来なくなるため事前に船台に事前に乗っけてあります。
取り付けは下から差し込んだ後に船底外側からFRPで固めてしまい さらに上側からFRPに使うポリエステル樹脂を流し込んでがちがちに固めてしまう作戦。
このためポリエステル樹脂の接着を確実にするためにダガーボードケース内面を綺麗にしてFRPの表面を出す必要が有ります。
ただダガーボードケースの内側は21mmの幅しかなくおまけに深いのでここを綺麗に研磨するのは至難の業、作業を少しでもやり易くするためにキャビン内に出っ張っている部分は切り落としてしまうことにしました。
さて何で切ろうかなと考えましたがあまり切粉を周囲に巻き散らかさないレシプロソーを使います。 ガラス繊維を含んだ切粉が体に付くと後でチクチクしてかないませんからね。
使った刃先は金属用の目の細かい刃先、これでガーッとケースの両側を一気に切ってしまいました。 これで上からキール底までのアクセスがかなり楽になります。
見た目にも部屋の中にドデンと構えていたダガーボードケース上部が無くなり部屋が少しすっきりしました。
さて、ここからが難題、浅くなったとは言えまだ50cm以上の深さが有りますので手の指が届くのは5cmちょい、工具を使わなきゃどうにもなりませんがホームセンターを物色しても使えそうなものは見当たりません。
工具を自作するしかないということでボートステーションの中をかってに物色して10Φ程度のステンレスの丸棒を発見、これに手持ちのスクレイパーの取っ手を引っぺがして裸にしたものを溶接してこんなものを作ってもらいました。
(あら、写真が無い。 後で探してアップします。2019-12-05 アップしました。)
これはうまく働いてくれてダガーボードケースの中にこびり付いた汚れは粗方落とすことができました。
ただこれだけでは不十分、中に残っている細かい汚れとか船底塗料などを落としてFRPの表面を出さないとポリエステル樹脂がちゃんと接着してくれません。
サンドペーパーで擦るのが一番なんですがこの中に入ってくれるサンダーなんて無いし
またしてもホームセンターで使えそうなものを物色。
ドリルにくっ付けて回転させるものが有れば楽でいいのですが 残念ながら小物を磨くようなものは有りましたが大きな面積に対応できそうなものは見当たらず ドリルの使用は諦め。
やはり手作業ということで作ってもらった柄の長いスクレイパーに何かくっ付けれないかということでキッチン用品のところでスチールウールたわしとステンレスたわし、工具売り場でマジックロンZなる不織布ベースのブロックタイプのたわしをゲット。
実際に使ってみないとどの人が一番働き者か判りませんからね。
実際に使ってみるとスチールウールたわしはスクレイパーにくっ付けるには小さすぎて手で持って擦ってみてもすぐに潰れてしまい使い物にならずボツ。
(上の写真は使った後ですがこれしかないのでご勘弁)
ステンレスたわしは少しほぐして針金を使ってスクレイパーにうまく巻き付けることが出来ました。
これは結構調子よく働いてくれたので一通りこれで研磨、厚みがあるので両面一緒に擦ることが出来ます。
ただ擦っているうちに形が変わってくるし水の含みがほとんど無いので均一に擦れたかどうかちょっと疑問。
最後のブロックタイプはボートステーションにあったステンレス製の牡蠣落とし用スクレイパーに厚さ方向の中央を切り開いてこれまた針金でくっ付けてみました。
ブロックの厚みはダガーボードケースの隙間より大きいですがギューッと押さえながら刺し込むとちょうどいい具合に両面に圧力がかかってうまく研磨出来ます。
水の含みもそこそこあるし型崩れもしないので結局これが最後まで頑張ってくれました。
半日以上ごしごしを繰り返して腕がパンパンになりました。
仕上がり具合は水洗いしてみないと判らないので高圧洗浄機を使って清掃、松尾さんに見てもらい「これだったら大丈夫」とのお墨付きをもらいました。
出来栄えチェックのため奥の方の写真も撮りましたが綺麗に仕上がっています。
キールに開けられたダガーボード用のスリットの全景写真も撮りましたがなんとなくHな感じに見えるのは私だけでしょうかね?後はキール外側の処理になるんですがここは大事な部分なんで松尾さんが自分でやりますとのこと。
それにしても長時間のごしごし作業で疲れました、1杯でなくいっぱい飲んで寝ることにします。
超大型のスリットに襲われる夢を見なきゃいいんですが。
いいえ、私もそう見えてますです。ところで、いっそのこと松尾さんにロングキール風に上部バラストと一体化積層していただき、タガーボードではなくてフェールズキール(私のフネのように)しちゃったらどうですか?
返信削除やはり私だけではなく男にはそう見えるんですよね、良かった。
削除ロングキール風にする案も考えたことは有るんですがひじゅんⅢなみの深さにすると体積的がかなり大きくなってしまいFRP積層作業が大変になるのと、この分の浮力を相殺するためのバラスト重量も大きくなりすぎるということで諦めました。