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2021/04/14

SB2 バウスプリット手直し その1、紆余曲折ありました

event_note4月 14, 2021 editBy Noriyuki Tomimatsu forumNo comments
家に持ち帰ったバウスプリット、写真で判るように中央付近側面のグラスファイバーが剥がれています。
反対側の以前手直しした側もまたしても剥離しています。(その時の記事はこちらをクリックしてください。)
剥離している部分はこんな感じでべろん。
前回のトラブル時には紫外線でエポキシが劣化して剥がれたんだろうと思い紫外線対策を施しておいたんですが また同じ症状が出たということは原因は紫外線では無かったということになります。 

改めて現象を観察してみると剥離が見られるのは中央部分で船首から突き出す境界付近、それも側面だけで上側と下側には剥離は見られません。
さらに船体側に固定されている部分と逆に先端部分にも剥離は見られません。
どうやら風などの影響でバウスプリットとマストの先端に張られているワイヤーが引っ張られてバウスプリットがしなり、そのしなりに柔軟性のないガラス繊維とエポキシ樹脂が付いて行けずに剥離したような気がします。これだったら症状の説明が良く出来ます。
バウスプリットはバーチ合板を積層して作りましたがもっと硬い木(タモ、ナラ、等)で作らなきゃいけなかったようです。 失敗しましたね。

新しい材料で作り直すということはすぐには出来そうにも無いのでとりあえずは塗装のやり直しをしておくほかありません。
ということで側面のグラスファイバーを全部剥いでしまうことから始めました。

鑿を使って剥いでいきますがしっかりくっ付いているぶぶんを剥がすのには骨が折れました。 
剥いでみて判ったのは剥離して水が溜まった部分のバーチ合板に水での膨潤が見られること。
一旦コーティングに亀裂が入ると水が浸入して木材が膨潤、亀裂を押し広げるという悪循環が起こっていたようです。
頑張って側面は剥がし終わりました。

側面を剥がし終わったところで悩むのは上面と底面のグラスファイバーをどうするかということ。ここには剥離の症状も無いし、エポキシは透水性が無いので木材の保護には役立つんですけどね。

さてどうしましょうと悩んでいる最中に「いっそのことFRPで巻いてしまえば強度も上がるし水で合板が膨れる心配もなくなるのではないか」との思いが。 塗装やり直しても水分が侵入してまた膨れないとも限りませんからね。
で、早速ボートステーションの松尾さんに電話。
帰ってきた答えは「FRPで巻いたら曲がらんごと強よなって、水の心配もせんでよかですよ。色も大体でよかなら好きな色にでくっですよ。」との答え。 一石三鳥でなかなか良さそうです。
「ペンキが付いてるけどそのままじゃダメ?」って尋ねるとポリエステル樹脂で塗料が溶けて付きが悪くなるのでダメ」との返事。
残念、最中の皮よろしくそのまま何もかも全部包んでしまえばいいかもと思っていましたがそううまくはいきませんでした。

塗装だけ剥ぐよりグラスファイバークロスごと剥ぐ方が簡単そうなので結局裏も表も剥いでしまうことになりました。
ま、中途半端に側面だけ剥ぐより徹底して剥いだ方が気持ち的にもすっきりします。

またしても表と裏をせっせと剥がしてしまいました。
時間は掛かりましたが剥がしてる間はほとんど無我の境地、心安はらか。
ただ、側面と違って表側はグラスファイバークロスに木材の方がくっ付いてくることがしばしば、おかげで表面が凸凹になってしまいました。ま、凸凹はパテで均すことにしましょう。
裏側は逆にグラスファイバークロスだけ剥がれてエポキシが木材にくっ付いて残ってしまいます。
グラスファイバークロスを剥がし終わったところで船に持って行って寸法の確認、FRPでコーティングすると厚みが5mmくらいになるそうなのでその分逃げを取っておかないと取り付けが出来なくなってしまいますからね。
改めて見てみると思っていたより隙間が狭くそのままFRPで巻いてしまうと取り付けが出来なくなってしまうところでした。 危ない危ない!

このままFRPで巻いたら取り付けが出来ないことが判ったので積層するFRPの厚み5mm分小さくすることにしましたが、さてどうやって削りましょう。
5mmというと結構な厚みです、これを削るに使えそうな我が家に有る道具は電動カンナか電動丸鋸しかありません。 通常の手カンナとか鋸では歯が立ちそうにありませんからね。
暫く思案して電動丸鋸を使うことにしました。
ただ我が家のちゃちな丸鋸は切削高さが最大で8cm、バウスプリットの一番厚い部分は9cm、バウスプリットも大きくて重たいのですんなりとはいかないようです。
この大きくて重たいバウスプリットを手持ちで切るのは大変で危険な感じもします。
何かいい方法はないかと思案して馬を丸鋸の台と同じ高さに重ねてここに重量を持たせて私は横方向の移動だけ受け持つことにしました。
これだったらいつでも手を離せるので楽ちんで安全です。
上の写真は切り終わった後の写真ですがこんな感じでやりましたということで撮りました。
この作戦、思ったよりうまく行きました、こちらは切り落とした側面部分、結構きれいにスライスされているでしょう。 バウスプリットはひし形なので4面分有ります。
丸鋸の歯が届かない所は残ってしまいますので手挽きの鋸で切ってしまいました。
こちらは切り終わった側面ですが丸鋸が頑張った痕跡がありあり。
この後は残っていたエポキシを電動カンナで削り落としコーナーの面取りを行い整形しました。
またしても船に持って行き寸法の再確認、今度は隙間は6mmは取れているようなので取り付が出来なくなることは無さそうです。
これで後はボートステーションに持ち込んでFRPで巻いてもらうだけになりました。
え、「自分でやらないのか?」って、自分でやるとしたら材料の手配から必要ですしうまく貼り付ける技量も無いので「餅は餅屋」とプロにお願いすることにします。

これで準備万端と高枕で眠れるところなんですがベッドに入ってもう一度問題が無いか考えなおしてこのままでは困ったことが起きそうなことに気づきました。
側面はFRPの厚み分削りましたが上下方向はそのまま、これだと上下方向は上下合わせて10mmほど厚くなってしまいます。
で、問題はフォアステーのワイヤーを引っ張っているターンバックル、これが今でもぎりぎりなので10mmも余分に引っ張るとなると余裕がなく引けなくなってしまいそうです。

おまけにボルトなども10mm長いものに交換しなきゃいけなくなってしまいますし やはり上下方向もFRPの厚み分薄くしなきゃいけないようです。

今度は側面にも増して幅が15cmほどあるので我が家の丸鋸では無理、ということでボートステーションの帯鋸を借用することにしました。こんな風に上側を10mm切り取っていきます。
切り終わったのがこの写真ですが鋸の目で凸凹、
これを電動カンナで均してしまい角っこの面取りをしてやっとFRPコーティングの準備完了です。
後は「松尾さんよろしくお願いします」ということでボートステーションに残してきました。

今思えば最初からサイズ調整でエポキシコートのグラスファイバークロスごと切り取ってしまえばわざわざ苦労して剥がさなくてよかったんですけどね。
ま、「やっているうちに知恵がつくので仕方がない、その分楽しんだでしょう」と自分を納得させて FRPコートが出来上がってくるのを楽しみにしながら1杯やることにします。

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