最後に冷却水通路をヤンマー推奨の洗浄剤(K-1)で洗浄したのが2023年後半ですから2年以上洗浄していないことになります。 今のところ冷却水は流れてくれているようで温度アラームが出るようなことも無いのですが防錆亜鉛交換の時に白い結晶がウォータージャケットの中に見られるのでやっておくに越したことはありませんからね。
先ずは洗浄の準備、
ウォータージャケット内の海水を抜くためにシリンダーヘッド下のドレン抜きを緩めます。
バルブの役目をしているボルトを緩めても緩めても水が出てきません。結局このボルトが外れるとこまで緩めて取り外しましたがそれでも水は出てきません。
ボルトを抜いて穴から割りばしを突っ込んで突いてやっと水が落ちてきました。ドレン穴の入り口が錆びの粉とか亜鉛由来の結晶か何かで詰まってしまっていたようです。
ボルトを抜いて穴から割りばしを突っ込んで突いてやっと水が落ちてきました。ドレン穴の入り口が錆びの粉とか亜鉛由来の結晶か何かで詰まってしまっていたようです。
水が抜けたらサーモスタットと防錆亜鉛の取外し、サーモスタットが付いたままだとウォータージャケット内を洗浄液が通れませんし、防錆亜鉛は洗浄液で溶けてしまいます。
次は洗浄用ホースの取り付け、ウォーターポンプの出口からサーモスタットまでエンジンが冷えているときに冷却水をバイパスするホースを取り外して、
冷却水ポンプ側に洗浄剤ホースをつなぎ、
| 洗浄液入口 |
バイパスホースがサーモスタットカバーにつながっていたところはホースを潰したもので蓋、
| サーモスタット側(冷却水排水ホースとバイパスホース部の蓋) |
ミキシングエルボーにつながっている冷却水排水ホースを外し、この先にホースを延長して洗浄液の戻りとします。
![]() |
| 排気エルボに入っていたホースを外しバケツまで延長 |
最後はバケツの中に洗浄ホースを付けた風呂水吸い上げポンプを入れて、排気エルボーからの戻りホースの先もこのバケツの中に、これで準備完了。
(準備完了時点の写真が無いので洗浄中の写真で代用です。)
下手な文章で判り辛いでしょうから絵に描いてみました。 え、絵も判らない、はいへたっぴーな絵でごめんなさい。
バケツの中に洗浄剤を入れて(今回は以前使った残りのK-1を使います)水を加えて30~40%に希釈しました。
あとはポンプのスイッチを入れて洗浄開始、白い結晶が塩酸と反応して溶けた時に出る泡が混じった黒い洗浄液が戻って来てすぐにバケツの中は真っ黒になってしまいました。
K-1の説明には汚れの状態に応じて30分から2時間洗浄しろと書いてあるので一旦家に戻りお昼を済ませて戻ることにしました。
美味しくお昼を頂きちょこっとうたた寝した後に船に戻ったら、あ~らら、ポンプは回っているけど洗浄液が回っていません。
汚れでポンプが詰まったんでしょうね、ポンプのフィルターを掃除したりホースを外して洗浄液に浸けたり出したりでポンプ復活。
復活しない時にはホームセンターに走らなきゃいけないかもと思っていましたが行かずにすみました。やれやれ、よかった。
お昼寝なんか間に挟んだのでかなりの時間が経っていますがどの時点でポンプが詰まったのか不明。「ま、追加で1時間回しとけばいいか」となりました。
家に帰る前にサーモスタットは洗浄液をコップに入れておいたので白い結晶も溶けて綺麗になっていました、ただお昼寝の時間が余分だったようで真鍮の中の亜鉛成分も溶けて表面は銅色に変化していました。
家に帰る前にサーモスタットは洗浄液をコップに入れておいたので白い結晶も溶けて綺麗になっていました、ただお昼寝の時間が余分だったようで真鍮の中の亜鉛成分も溶けて表面は銅色に変化していました。
「過ぎたるは及ばざるがごとし」かな。
コップに入れて電気ケトルで沸かしたお湯を注ぐと、よしよし、しっかり開いてくれました。これでオーバーヒートの心配はしなくて良さそうです。
そうこうするうちに時間が過ぎて洗浄終了、ポンプを止めて洗浄液をバケツに戻し今度は真水と換えてすすぎ。
2度目のすすぎで水が綺麗になったので酸を中和しておこうとベーキングパウダーを水に溶かしたものを追加で投入したらーー、あらびっくり、透明だったすすぎの水があっという間に黄土色に変わって濁ってしまいました。
残っていた酸が中和されたことで溶けていた何かが析出したようです。赤っぽくなるって言うのは鉄が1番怪しいですね。
鉄が怪しいということはウォータージャケットも溶けたってこと? ちょっと心配。
この黄土色の水を棄てて最後のすすぎ、まだ少し黄色いですがここまでとして終了です。
防錆亜鉛の取り付け口から内部を除くとしっかり綺麗になっていました。
防錆亜鉛の取り付け口から内部を除くとしっかり綺麗になっていました。
取り外していたサーモスタット、ホースなども元に戻して、最後の仕上げはエンジンを起動して海水を循環させるだけ。
最近ご機嫌のいいYCさんは1発で起動、船尾に行って排気管からの冷却水の流れを確認OK、サーモスタットが開いてウォータージャケット内を冷却水が循環するくらいまでエンジンを回して作業完了です。
後片付けを終わって家に戻り晩酌タイムの後に少し科学のお勉強。黄土色に変化した物体の正体を見極めたいからですね。
色々調べたら現場で予想したように酸性状態で水に溶けていた鉄イオンがベーキングパウダー水溶液でアルカリ化されたことで一気に水酸化鉄などに変化して沈殿したようです。この変化の化学式もありました。
色々調べたら現場で予想したように酸性状態で水に溶けていた鉄イオンがベーキングパウダー水溶液でアルカリ化されたことで一気に水酸化鉄などに変化して沈殿したようです。この変化の化学式もありました。
Fe3⁺+3(OH)⁻→Fe(OH)3↓
「特殊インヒビターの働きで金属材料をいためません」なんて謳い文句が在ったので高いのを我慢してK-1を使っていたんですが鉄を溶かすんでしょうか?主な働きとしてスケール、鉄さびの除去と書いてあるので鉄を溶かすのは当たり前みたいで矛盾を感じます。
鉄を溶かすんだったらサンポールを使っても同じじゃないかと思いながら追加で調べたらこれは矛盾せず酸洗いの世界では常識の世界らしいです。
インヒビターは鉄などの金属表面に保護皮膜を作るものの既に酸化してしまった錆には保護膜は出来ないとのこと。なのでウォータージャケットの鉄そのものは酸では溶けず錆だけが溶けるということでした。
一方、サンポールはほとんど塩酸だけなので保護膜を作ってくれずスケールとか錆を溶かすのと同時にウォータージャケットの壁も溶かすので濃度とか洗浄時間に注意が必要みたいです。
インヒビターは鉄などの金属表面に保護皮膜を作るものの既に酸化してしまった錆には保護膜は出来ないとのこと。なのでウォータージャケットの鉄そのものは酸では溶けず錆だけが溶けるということでした。
一方、サンポールはほとんど塩酸だけなので保護膜を作ってくれずスケールとか錆を溶かすのと同時にウォータージャケットの壁も溶かすので濃度とか洗浄時間に注意が必要みたいです。
K-1がお高いのはこのインヒビターなどの技術料が高いんだとか。
ま、ここまでお勉強したら少しお値段高めでも保険と思ってK-1を使っておいた方が無難みたいです。2,3年に一度くらいですから20%希釈で使えは1缶で4回くらいは洗えますからね。
黄色い沈殿物は鉄ではないかと思った時からウォータージャケットも溶かしているんじゃないかと心配でしたが溶けたのは錆だけということで一安心。
ここまでお勉強する間グラスも脇に置いていましたが夢中になって調べていたのでさほどグラスは進んでいません。
一安心出来たところで追加の1杯、それにしても今日は長い一日で疲れてしまいました知恵熱が出たんでしょうかね。
一安心出来たところで追加の1杯、それにしても今日は長い一日で疲れてしまいました知恵熱が出たんでしょうかね。
せっかくなのでサンポールでの洗浄方法もお勉強。
手短にまとめると
1,サンポール洗浄 (5〜10分)サンポールは20~30%程度に希釈
2,真水ですすぎ
3,重曹(ベーキングパウダー)で中和(pH 7〜8)→ 弱アルカリのままでOK
4,ホウ酸(0.1〜0.3%:1Lの水に1~3g)を5分循環→ ボレート皮膜(保護皮膜)が形成
5,海水を循環して終了
K-1での洗浄程安全という訳では無くサンポール濃度が高すぎたり時間が長すぎると鉄(ウォータージャケット)も溶け始めて傷める恐れがあるようです。
ホウ酸洗浄は酸洗いで裸になった鉄表面に保護膜を作ってくれるんだとか。
これだったらK-1に比べてかなりお安く洗浄が出来ますね。




それは知恵熱ではありませんよ。いつも知恵と知識と技術があふれているのを知っていますので、もしかしたらほかの原因・・お疲れ?ですよね、脳ではなくて筋肉の方・・。それにこの記事はとても分かりやすく参考になりました。
返信削除いつも訪問有難うございます。今回も長ったらしい冗長なレポート書いちゃったなと思っていましたが分かり易いと言ってもらえると嬉しくなりますね。
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