SB2 メインセイルカバーとレイジージャック

レストア作業が一段落して最近はちょくちょく船を出していますが船を出す頻度が増えると面倒に感じるのがセイルのセットと片付け。

ジブはまだしもメインセイルの方は面倒です。

一番大変なのはメインブームとガフ（上側ブーム）にボルトロープを通す作業、 滑車とロープを使うようになって一人でもこなせるようにはなりましたが結構大変です。
帆を下した後に丸めてセイルバッグに詰め込むのもこれまた大変。

メインセイルを付けっぱなしにしてセイルカバーを掛けたら（紫外線と雨除けです）少しは楽になるのではないかとセイルカバーを作ってみることにしました。

ただこのSB2は一般的な３角の帆を持っているヨットと違って上下にブーム（帆桁）がある大きな４角形の帆なのでブームの長さが長くおまけに上側ブーム（ガフと呼びます）を上げ下げするためのロープが２か所に有るので１体型では作れそうにありません。

さてどう作りましょうということでとりあえず型取りをやることにしましたが型紙に良さそうなものが見当たりません。

ホームセンターを物色して新築現場などで使われている床の養生シートを買ってきました。

セイルをブームにセットしてバンジーコードで括りつけて、

養生シートをこの上に被せて型を取るんですがーー、あらら、型は取ったけど写真を撮るのを忘れていました。　

家に持ち帰った型紙を部屋に広げたのがこの写真ですが、「デカい」が正直な実感。

結局作り易さ優先で４分割することになりました。

下の図では分割部分間に隙間が空いていますが実際には重ね合わせて被せることになります。

さあ次は縫製と思ったところで「ん、待てよ、レイジージャック取り付けたらカバーと干渉するかも」との心配が出てきて縫製は保留。

ヨット用語って聞いただけでは？？の言葉が多いですよね。　レイジージャックもその最たるものかも。

語源は判りませんがレイジーは怠け者、ジャッキは持ち上げるものといった意味がありますので怠けて（楽して）セイルを支えれるものといった意味から来てるのかも。（私の勝手な考えです）

基本的にはこんな感じでセイルをブームの上に纏める際に使われています。

これらのワイヤー類全体をまとめてレイジージャックと呼ばれています。

レイジージャックシステム

これが無いと帆を下した時にデッキの上にこんなふうにぶら下がってしまいまとめるのが大変になります。

ちょっとレイジージャックの説明が長くなりましたが私の方は上の図のような立派なものではなく手持ちのブロックとロープを使って何とかそれらしきものを作ってセイルカバーとの干渉具合を見てみるつもり。

レイジージャックにはマストの天辺から下りるロープが必要ですが目を付けたのがこのロープ、ガフの後端を支えているロープです。
都合がいいことにこのロープはマスト天辺に取り付けられたブロック（滑車）を介してコクピットまで下りてきています。

実はこのロープ日頃はあまり必要性を感じたことが無く、レイジージャックに転用してもそう困ることは無さそうです。

このロープをガフの尻尾から取り外してロープの先っぽにミニブロック（滑車）を取り付け左右振り分けのロープを通します。

さらにこの左右に振り分けたロープの先端にもミニブロックを取り付けてガフを跨いで両側に垂らし、

この中にメインブームに取り付けたロープを通し、（あら失礼ミニブロックの部分が写っていない。）

即席レイジージャックの完成です。

（ロープの長さなどの微調整は帆を張った時にやることにします。）

レイジージャックの話が長くなってしまいましたね。

セイルカバーとの干渉を見るのが目的だったんですがどうやれば邪魔されずにカバーを掛けれるか暫く考えましたがはたと気が付いたのが「な～んだ、レイジージャックを張ったままカバしようとするからややっこしくなるんだ、下ろしてしまってレイジージャックのロープごとカバー掛ければ簡単」ということ。

ピンと張っていなきゃいけないのは帆を下す間だけですからね。

同じように帆をブームに取り付けたり取り外したりするときも邪魔になるかもと思っていましたがこれも緩めて下ろしてしまえば邪魔にはなりません。

これでセイルカバーにはレイジージャックの為の切り欠きなどの工夫は必要ないことが判ったので安心して縫製に進むことが出来ます。