船、車、家、たまには旅行のこと等 備忘録も兼ねて気ままに書いています。

2024/12/20

SB2 ばんざ~い、プロペラシャフトがやっと抜けました でも問題も

event_note12月 20, 2024 editBy Noriyuki Tomimatsu forumNo comments
朝家を出る準備をしていたら昨日電話を入れた「白浜内燃機関」の社長から電話、やって欲しいことを伝えると来年の正月明けまで仕事が立て込んでいて手が出ないとのこと。
急がなきゃいけないのであれば工具を貸すからと言ってもらったので借りに伺いましたが私の作業には大きすぎ、ただしっかりしたハンドルが付いているのでこれだけでも助かるということで拝借してきました。
流石に本物、しっかりした作りです。

その足で末續さんの作業場に向かいこんな手作り工具を借りてきました。
これ、レストア中のヨットのペラ抜きに作ったとのことでシャフトのフランジ抜きにも使えそうということで拝借。

これらを船に持ち帰り少し遅いお弁当タイムの後作業開始。
先ずやったのは昨日作った自作の十字ナット回しの改造、借用してきたハンドルが準備していた穴に入らないので新たに穴を追加しました。

ハンドルを穴に通してみるとなかなかいい感じです。

エンジンルームに持ち込んで十字ナットの取外しにかかりますが手図クリ工具は不安定で力を入れて回そうとするとすぐに外れてしまいます。あの手この手と試しましたが最後はこの形、手作り十字ナット回しの頭をしっかりエンジン側フランジに押し付けて爪が外れないようにして回します。

シャフト側のフランジにはボルトを1本とおしてここに大きめの眼鏡レンチを掛けて回り止めにしています。


これらの作戦は上手くいって手作りの十字ナット回しでもしっかり力が加わるようになりました。

最初はエンジン回転の向きからここは逆ねじだろうということで時計方向に回してみましたが全く緩む気配が有りません。
え、ひょっとしたら右ねじ?ということでハンドル延長用のパイプも使って目いっぱい力を掛けたらバコンという音とともに力が抜けてしまいました。
あらら、工具が壊れたかと思い外してみましたが工具には異常なし、十字ナットが緩んでくれた音でした。 やったね!

十字ナットが外れてくれたので次は末續さん工具の出番、フランジにこんな形で取り付け、

プロペラシャフトの中心を押すためにちょっと大きめのボルトを挟み込んで両側のボルトを締めこんでいきます。


この工具の鉄板がしなるほどに締めこんでも外れてくれないので大きなハンマーでフランジの尻側をガツンと叩いたら締めこんでいたねじが緩くなりました。
でもフランジは外れてくれません。
締めこんではガツンを4度ほど繰り返してやっと外れてくれました。

テーパーになっている嵌合(はめあい)なので一旦緩めばすぐにでも外れなきゃいけないんですが4度も叩く羽目になったのはこのキーのおかげです。
鉄製のキーなので錆で膨れ上がりフランジ側のキー溝にしっかり噛みついていたようです。

とにかくフランジが外れてくれてほっとしたところで今日の作業はここまで、今夜は少し美味い酒が飲めそうです。

さて翌日、先ずはこの錆びたキーをシャフトから外すところから始めます。
プライヤーで挟んで取ろうとしますが全く歯が立ちません。 ならばとマイナスドライバーの先を当てて横からたたいたり、キーの前後を交互にハンマーで直接叩いてみたりを繰り返してやっと外れました。

キーが外れたので次はPSSの取外し、これは順調にいきました。
ほんと順調に入ってくれる作業が少ないんですよね。

これでエンジンルーム側に付いていた部品はすべて外し終わったので外に出てプロペラシャフトの引き抜きにかかります。
プロペラに手を掛けてグリグリと回しながら引き抜きますが50cmほど抜けたところで全く動かなくなってしまいました。(この時の写真は無いのでちょっと想像してみてください)

ここで頭を冷やす意味も含めてお弁当タイム、いつもはサンドイッチなのですがこの日は嫁さんサンドイッチばかりでは飽きるだろうと気を利かせてくれて保温容器に入ったシチューを持たせてくれました。
お弁当を食べながら思いついた作戦はスタンチューブ(プロペラシャフトが通ってるパイプ)の中に上から水を満たしてみるということ。
きっと抜けてくれないのはプロペラシャフトに付着した汚れとかスタンチューブ内の汚泥のようなものが固まって邪魔しているためで水でふやかせば何とかなるかもとの期待です。

お弁当が終わったら早速実行エンジンルーム側からスタンチューブに水を満たしました。
船尾に回ってみると水は流れ出ていません、スタンチューブからあふれるところまで注水したんですけどね。
とりあえずグリグリ回しながら引っ張るとこの作戦は上手くいったようで真っ黒どろどろの汚れとともにシャフトが抜けてきました。

注水していた水はシャフトが抜けた時点で真っ黒になって流れ出てきました。
今までプロペラシャフトはこの黒い汚れの中で回っていたんでしょうね。

でやっと抜けたプロペラシャフトがこちら、

高圧洗浄機で綺麗に洗った後あちこち観察するといろんな問題が。
まず最初に目に入ったのがカットラスベアリング部のシャフトの摩耗、目で見ただけで明らかに判るほどにすり減っています。 ノギスで測ってみると24.25mm、元々の大きさは25mmですからかなりの減りです。


これではカットラスベアリングを交換してもがたは無くなってくれませんね。

次は電蝕、プロペラ近くに電蝕が在るのは知っていましたが引き抜いて全体を見てみるとあちこちに電蝕が見られます。
これはエンジン側カットラスベアリングの部分で電蝕に加えて摩耗もしています。

プロペラシャフトは「作り直しておいたほうがいいかな~」くらいに考えていましたがこれで作り直しが必須ということが判明。
ま、これだけはっきりすれば「このまま使おうか、作り直そうか」なんて悩まずに済みますね。
なにはともあれプロペラシャフトが抜けてやっと一歩前進です。

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